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   「菊水」の酒銘は『太平記』十三巻(龍馬進奏の事)における『菊慈童』という能楽に起源を求めたものです。その一説によると、『その昔、魏の文帝の臣下が帝の命を受け、薬の水を求めて山に分け入ったところ、齢七百歳にもなる仙人に出会いました。この仙人は七百年前、周の稽王に仕えていた慈童で、何かのお咎めにより、この山へ流罪された身とのこと。不憫に思った王が法華経の中の八句のうち二句をそっと伝授し、慈童はそれを毎朝唱え、忘れてはいけないと菊の葉に写していました。やがてその菊の葉にたまった露が、天の甘露となり、その露を吸っていたところ、いつの間にか、こんなに生き永らえることができた…』とあります。
  すなわち、菊の水は不老長寿をもたらすものであり、これに因み酒銘「菊水」が生まれたのです。第二次大戦当時、特攻隊の名称や尽忠報国の象徴、あるいは大楠公の家紋として多くの方に知られるようになってはいますが、「菊水」の名称は能楽に起源を持ち明治43年に商標登録されたものなのです。
 
 
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