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酒と食の歳時記




3月といえば雛祭り。春の楽しみの一つです。旧暦3月3日は、今年でいうと4月4日。ちょうど桃の花が咲き出す頃になるため「桃の節句」とも呼ばれます。雛祭りの起源は中国にあります。今から3000年前の周の時代、人々はこの日に水辺で身のけがれを清め流しました。これが「曲水(ごくすい)の宴」の始まり。のちに人の代わりに紙などで人形(ひとがた)を作って清めて流すようになり、これが流し雛の原型となります。その後次第に派手になって、流さず家で飾るようになり、今日の様な雛祭りになりました。


桃の節句には白酒を飲みますが、古くは桃の花をとって酒に浸した桃花酒を飲む風習がありました。ももは百歳(ももとせ)に通じることから、邪気を払い長寿をもたらす力が宿っており、桃花酒を飲むと、病を取り除いて顔色を潤すと考えられていました。その後、江戸時代中期になって桃花酒の他に白酒が飲まれるようになります。白酒は蒸した餅米と米麹(こうじ)をみりんまたは清酒・焼酎に混ぜて発酵させた後、1ヶ月ほど熟成させすりつぶしたもので、アルコール分は9度、糖分などのエキス分が45度とかなり甘めです。粘度が高く「飲む」というより「なめる」ものといった感じです。白く泡立つ様子が、山川の渓流のさまに似ているため「山川酒」と呼ばれました。江戸時代、鎌倉河岸にあった豊島屋(としまや)の白酒は有名で、2月18日から翌19 日の朝までに1400樽も売れるほど人気があり、様々な文献や狂歌などにも豊島屋の白酒に関する記述があります。−『酒文献類聚』より


所蔵品から
今回ご紹介するのは、大正時代のガラス製の猪口と徳利のセット。白酒を入れる雛祭り用の酒器です。大きさも小ぶりで色つけや絵柄もかわいらしい器。白酒の白色にカラフルな絵柄が映えます。


桃の節句は女の子の節句ですが、お酒を楽しめるのは大人の特権。お酒とともに桃の節句を楽しむアイデアをご紹介します。
     

【桃花酒】
故事にならい桃の花を浮かべてお酒を楽しむ方法です。悠久の時の流れに思いをはせ、ゆったり飲みたい方におすすめ。屠蘇器のような漆の盃を使うとさらに優雅な雰囲気を楽しめます。盃のような平らな酒器には、「菊水の四段仕込」のような淡麗甘口タイプがおすすめです。平ら1な器でお酒を頂くと、酒は口の舌先から流れこみ、舌は先端部で甘みをいっそう感じることで、よりおいしくなります。

【白酒を使ったカクテル】
白酒を菊水のお酒でさらに楽しむ方法です。「菊水の辛口」を使って白酒を大人の味にしてみましょう。「白酒」1に対して「菊水の辛口」1〜2の割合で割り、よくかきまぜてできあがり。「白酒」の甘みと「菊水の辛口」のキレのよさが、うまく調和して口当たりがやさしいオリジナルカクテルになります。そのままでもロックでOKですが、本格的に楽しむなら、シェイカーに氷を入れ、振り混ぜるとより口当たりもよりまろやかになります。いろいろ試して自分流の飲み方を見つけましょう。
 
           
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