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酒と食の歳時記





夏といえばキリッと冷えた冷酒。今では当たり前の「冷酒=冷やした酒」という感覚はごく最近になって我々の身についたものです。その理由として、精米機の進歩により吟醸酒・大吟醸酒など質の高い酒の醸造が可能になったことや冷蔵庫が一般家庭に普及したことがあります。昔から冷酒といえばほとんど常温の酒をさし、時には氷室の氷を酒に浸し今日のようなオンザロックで楽しむ事(日本書紀)もありました。
しかし、今とは違い冷蔵庫のない奈良・平安時代、夏期に氷を使って酒を飲むことができたのは天皇や貴族など一部の人々でしかありません。酒が庶民に広がった江戸時代になってもやはり氷は貴重品で、冷やといえばもっぱら常温でした。冷たく冷やしたお酒を気軽に楽しめるのは、冷蔵庫の発達した時代に生きる我々だけなのです。
     
  所蔵品から
冷酒には涼しさを演出するガラスの酒器が似合います。ここでご紹介しているのは明治〜昭和初期のガラス製の徳利・杯などです。この時期は製作技術が未発達で、ガラスが厚く中に気泡があり華やかさこそありませんが、かえって歴史の古さを感じさせ趣があります。


冷酒をより楽しむためのお酒の選び方や飲み方
     

【冷酒にするならこんなお酒】
お酒は冷やすことで、引き締まった口当たりが楽しめます。冷やで飲むにはフレッシュな味わいの生酒や華やかな香りが楽しめる吟醸酒・大吟醸酒などのお酒がおすすめです。
飲む際のコツは冷蔵庫から出して時間をおいて飲むこと。お酒の温度が低いと、香りを楽しむことができないためです。瓶に結露がつくぐらいが目安です。菊水のお酒では、ふなぐち菊水一番しぼり無冠帝 などが冷やして楽しむのに最適です。中でも ふなぐち菊水一番しぼり はフレッシュな香りを持つ生原酒で、味わいも濃厚でコクのあるタイプ。ロックにしてもお酒のうまさを堪能できます。

【氷で楽しむ】
ちょっと変わったロックをご紹介します。「燗ロック」は燗した酒を氷の入ったグラスへ注ぎ、一気に冷えたところで飲む楽しみ方。燗をすることでお酒の角が取れ、より軽やかな味わいになります。また氷が溶けてアルコール度数も下がるので、体にやさしいお酒になります。普通の氷の代わりに細かく砕いた氷や削った氷を使うと、氷の間に染みわたるお酒がきらきらと美しく涼しさを漂わせます。木桶やサラダボールなど大きめの器で瓶ごと冷やすと、視覚的にも涼感いっぱい。300mlなど小さなサイズが気軽に楽しめて便利です。

【器の選び方】
無垢の透明ガラスだけでなく、切子や色つきのガラスなどで色や模様に変化を持たせると一気に清涼感が増します。生酒などフレッシュな味わいを楽しむ際は、お酒の温度を上げないように二口ぐらいで飲みきれる量の器を。吟醸酒や大吟醸酒などは香りが命。口が広がったラッパ型のグラスや円筒形のグラスを使うとより香りを楽しめます。飲む前に冷凍庫に入れ、器を冷やしておくのがポイント。取り出すと器に霜が降り見た目にも涼やかにお酒を楽しめます。

 
           
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