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新年を祝う「屠蘇」
新しい年の始まり。お正月に飲むお酒を総称して屠蘇と呼びますが、正式にはその一年の邪気を払い延命を願って飲む薬酒をいいます。桃の節句や七夕など他の行事と同じく屠蘇の風習も中国から日本に伝わりました。 起源について江戸中期の『日本歳時記』(貝原益軒著)には次のようにあります。
「むかし草庵に住んでいたある人物が毎年大晦日に薬草を近隣に配った。これを袋に詰め井戸水に浸し、 元旦に水より取上げ酒樽に入れ飲む。名付けて屠蘇酒と呼び、これを飲むと瘟疫(うんえき:高熱を出す流行病) にならない。」
このように中国では古くから疫病などを祓う薬酒として飲まれていました。日本には平安時代ごろ伝わったようで、 嵯峨天皇の弘仁二年(811年)に宮中で飲んだと記録があります。その後江戸時代になって庶民にまで広く普及し現在に 至ります。
また、屠蘇という名称は「蘇を屠(ほふ)る」に由来しています。「蘇」は疫病などを流行らせる悪い鬼、「屠る」は 滅ぼすという意味、よって屠蘇は邪気や病気を払うものとしてこのような名前になったといわれます。またこのほかに 前述の人物がすむ草庵の名前「屠蘇庵」に由来するなどの説もあります。
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屠蘇と酒
屠蘇には、屠蘇散(「屠蘇延命散」とも)という数種類の生薬を調合した絹袋を用います。 生薬には山椒・肉桂・桔梗・防風(ぼうふう)・白朮(びゃくじゅつ)・陳皮(ちんぴ)などが処方されます。 それぞれ薬効のある生薬ですから、屠蘇は単なる儀礼的な酒ではなく、実際に健康増進に役立ちます。 いただく際は屠蘇散を日本酒に浸して飲みますが、関東では味醂(みりん)、熊本では赤酒(味醂と日本酒の中間にある 酒で赤褐色をしているもの)など他のお酒も使われます。 また、飲む際は年少者から年長者の順にとされています。これには若者の精気にあやかるという意味が込められています。 |
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所蔵品から
大正九年の陶器の屠蘇具一式。銚子、盃、盃台(はいだい:盃をのせるための台)が一組になっています。漆器の屠蘇具はよく見かけますが、これは陶器製の珍しいものです。それぞれに松竹梅の図柄を描き、見た目にも華やかなめでたい酒器です。 |
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屠蘇を楽しむ
【古式ゆかしく】
まずは古式ゆかしく屠蘇散を使い、厳かに新年を祝い無病息災を願いましょう。屠蘇散は年末になると薬店などで入手できます。大晦日の晩にお酒に浸しておくと元旦の朝でちょうど頃合になります。独特の芳香がありますから、苦手な方は浸す時間を短めに。お酒の代わりに味醂を使うと甘口になります。甘すぎる場合は、好みに応じ日本酒を混ぜると味わいを調節できます。生薬の種類によっては金気を嫌う場合がありますので、金属製の酒器は避けるのが懸命です。 |
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【器で楽しむ】
昔から正式な酒宴や儀式には、漆器の盃が用いられました。新年を迎える際にはやはり威を 正し古式ゆかしい酒器でゆったりお酒を楽しみましょう。また、お酒も普段と違う特別なお酒を。弊社商品では 「菊水源流」「菊水純米大吟醸」などがおすすめです。また、「五郎八」を使うと 白い色合いが淡雪を思わせ、漆器にも映えます。 |
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