
盂蘭盆会の行事は、東京では新暦の七月十三日の夕刻祖先の霊を迎え、十六日に送り火を焚きますが、多くの地方では旧暦に準じて一と月遅れのお盆を行うとこ ろが多いのはご存知の通りです。なかには、三重県の一部など養蚕(ようさん)の関係でちょうど中間の八月一日に先祖を迎えるところもあります。
盆の前日の夜から当日の朝まで開かれる「草市」(盆棚をつくる飾り物を売る市)では、迎え火、送り火を焚く麻幹(おがら)をはじめ、瓜や茄子で作った牛馬、燈篭、草花などが売られ、これでご先祖様を迎える棚をつくります。
四隅に青竹を立てて縄で結び、ここに草花を飾り、杉の葉をめぐらして位牌を安置します。酒好きだったご先祖様には特上の酒を差し上げましょう。
そして子孫は、元気だった頃のご先祖様を思い出しながら精霊と酒を酌み交わし、ご先祖様あっての今の自分たちの存在に改めて感謝し、我が家の弥栄を誓います。
酒器も、ご先祖様が愛用していた猪口などをお供えして、また、その一つで飲(や)るのもいいでしょう。今まで気付かなかったその酒器のよさに意外な発見があるかも知れません。