茶道、華道、書道…日本にはそれぞれの技能を通じて人間を磨く様々な「道」があります。かつて、酒にも同様の「道」があったことをご存知でしょうか。 酒道とは、季節を愛で、豊かな心で味わう、そのためのたしなみ方を極める道です。忘れ去られてしまった、この豊かな日本の文化を、今一度思い出してもらいたい。 そんな思いから、菊水酒造の所有する研究施設「菊水日本酒文化研究所」は、このたび日本酒のもてなしの心、生活文化とたしなみ方、酒席のしつらいや作法などについて解説した書籍『酒道 酒席歳時記』を発行しました。 酒道を通して和の文化と粋をたしなめば、酒座はより一層深く、面白くなります。『酒道 酒席歳時記』は、人生に彩りを与える、大人のための一冊です。
國府田 宏行(こうだ ひろゆき)
作家、生活評論家で書家。慶應義塾大学在学中から文筆活動に入り、日本経済新聞社「ショッピング」初代編集長を経て、生活評論、食味評論を続ける。食文化の頂点に位置する日本酒に関心が強く、我が国の酒文化に対する一般認識を高めるべく、現代の「酒道」を確立・指導に当たっている。代表著書に「地酒風土記-前、後」「東京の地酒」「酒々物語」「日本酒あれこれ問答」などが挙げられる。
菊水は平成18年に法人設立50周年(創業125年)を迎えるにあたり、菊水日本酒文化研究所を設立しました。ここでは、今一度飲み手の側に立ち、造り手の論理は廃して「良い酒」とは何かを研究しています。この答えは単に酒質の善し悪しといった物性的な側面のみで論じることではなく、面白さや楽しさといった無形のものが付加されてはじめて「良い酒」の資格があるのではないかと考えています。面白いコトづくりを追求し、これら「モノ」と「コト」を融合させ、日本酒を面白くする新たな提案を創出しています。